お風呂の時間は一日の疲れを癒す大切なひととき。だからこそ、その空間は常に快適でありたいものです。しかし、長年使い続けたお風呂のドアが傷んできたり、デザインが古く感じられるようになったりすると、リフレッシュの時間も少し色褪せてしまいますよね。そんな時、自分でお風呂のドアを交換することは可能なのでしょうか?このコラムでは、DIYでお風呂のドアを交換する際のポイントをご紹介します。工具の使い方から必要な材料、実際の交換手順まで解説していきます。自宅のお風呂を自分の手で新しくする喜びを、一緒に味わってみませんか?
目次
ドアの種類と工事の工法
お風呂のドアは「開き戸」「折れ戸」「引き戸」の3種類があります。DIYでお風呂のドアを交換する場合は、同じタイプに取り替えると失敗しません。
・開き戸
開き戸は、ドアノブを掴んで開閉する最も一般的なドアです。開閉方向は手前と奥側の2種類があり、お風呂に入る時にドアを手前に引くか、もしくは奥に押すかのどちらかになります。ドアを開閉するためにはスペースが必要なため、狭い場所では不向きです。
・折れ戸
折れ戸は、扉の中心が縦に半分に折れて開閉する仕様のドアです。限られたスペースを効率的に使用する場合に適しています。一方で、扉中央の蝶番やレールに負荷がかかって壊れやすく、スライドレールにホコリがたまりやすいという難点があります。
・引き戸
引き戸は、横にスライドすることで開閉するドアで、特に日本の住宅でよく見られます。力を入れずに開閉ができるため、バリアフリーへリフォームする際には引き戸タイプが推奨されています。しかし、レールの上を滑る構造上、レールの掃除がしにくいのが難点です。
工事の工法は大きく分けて「アタッチメント工法」と「カバー工法」の2つがあります。
・アタッチメント工法
アタッチメント工法は、浴室ドアの既存枠をそのまま使い、ドアだけを交換する方法です。既存ドアを外したら、既存枠にアタッチメントを装着、新しいドアを取り付けます。アタッチメント工法の利点は、大幅な解体や構造変更を必要とせずに、比較的簡単に改修ができる点にあります。また、出入口の開口寸法が変わらず、段差ができずフラットな仕上がりになります。ただし、既存枠をそのまま使うため、枠の見た目は古いままとなります。
・カバー工法
カバー工法は、浴室ドアの交換で最も多く使われている方法です。まず、既存の浴室ドアを外し、既存ドア枠の上から新しいドア枠を取り付けます。既存のドア枠が新しいドア枠で隠れるので、ドアも枠も新品の見た目になることがメリットです。施工時間が短く、コストも抑えられる傾向にあります。ただし、被せる材料の厚みによっては、空間の寸法が若干狭くなる可能性がある点には注意が必要です。また、既存枠をカバーすることによってわずかな段差が生じます。
お風呂のドア交換の準備
お風呂のドア交換は、基本的なDIYスキルと適切な準備があれば対応可能です。しかし、作業の容易さは、交換するドアの種類やサイズ、そして取り付ける環境によって異なります。
●一人でできる?
軽量なドアであれば一人でも取り扱い可能ですが、ガラス製のドアや大きくて重たいドアの場合、取り外しや設置の際にドアを支えるために複数人で作業することが推奨されます。
【必要な工具】
1.スクリュードライバー:ヒンジや固定具を締めたり緩めたりするために使用します。
2.レンチまたはソケットセット:ドアの金具やボルトを取り付ける際に必要です。
3.ドリル:新しい固定穴を開ける必要がある場合に使用します。ドリルビットはドアの材質に適したものを選んでください。
4.レベル:ドアが正確に水平・垂直に取り付けられていることを確認するために使用します。
5.メジャーテープ:ドアや開口部の正確な寸法を測定するために必要です。
6.ペンシルまたはマーカー:ドリル穴の位置をマーキングする際に使用します。
7.ハンマー:必要に応じて小さな修正を加えるために使用することがあります。
8.カッターナイフ:シーリング剤のチューブを開けたり、余分な部分をトリミングするのに使用します。
【必要な材料】
1.新しいお風呂のドア:サイズとスタイルを現在の開口部に合わせて選んでください。
2.シーリング剤:水漏れを防ぐため、ドアフレーム周辺に適用します。
3.ヒンジや固定具:ドアを取り付けるために必要なハードウェア。新しいドアには付属している場合が多いですが、必要に応じて別途購入してください。
4.ドアハンドルやロックセット:ドアに合ったスタイルと機能性を持つものを選んでください。
●採寸は正確に
現在のドアの寸法を正確に測定し、新しいドアを選ぶ際の基準としてこれを使用します。ドアの幅、高さ、厚みはもちろん、開閉の方向も考慮に入れる必要があります。
お風呂のドアの交換手順
お風呂のドア交換は、正しい手順で行うことでスムーズに作業を進めることができます。
①既存のドアのヒンジピンを外し、ドアをフレームから取り外します。この際、ドアが落下しないように注意してください。
②新しいドアの取り付けに移る前に、新旧のドアが同じサイズであることを確認し、新しいドアに必要なハードウェア(ヒンジやドアハンドルなど)を取り付けます。ドアフレームに新しいドアを設置する際は、レベルを使用してドアが正しく水平・垂直になっているかを確認し、ヒンジをフレームに固定します。
③ドアが正しく取り付けられたら、ドアの開閉動作を確認し、問題がないことを確認します。最後に、シーリング剤をドアフレームの縁に塗布して水漏れを防ぎます。作業が完了したら、清掃を行い、工具を片付けて終了です。
●失敗せずにDIYするコツ
なるべく同一型番同士の浴室ドアを交換すると失敗しないでしょう。製造年が古いと製造中止になっていることもあります。このような場合にはメーカーに在庫があるか、まずは確認してみてください。
古いドアは粗大ごみで廃棄が必要です。また、既存の枠のままでいいのか迷うかもしれません。お風呂のドア交換は、DIYに慣れている上級者向けです。DIY初心者や少しでも不安がある方は、無理せず業者に依頼することをおすすめします。